骨折による血清CRP値の推移
骨折後のCRP高値は比較的よく見ますが、その自然経過について調べてみました。
手術をした方がしないよりCRP値はやや高値になるようですが、基本的に外傷または手術の2-3日後にCRPはピーク値をとり、以後漸減し3週間ではほぼ正常化するようです。
【https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8340178/】
【https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2756812/】
【https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2380213/】
術後4日目にCRP≥9.6mg/dLである場合は、感染症を合併している可能性を考慮する必要がありそうです。
【https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18622849/】
この2-3日という時間差は、局所で白血球が炎症性サイトカインを分泌し、それが指令となり肝臓がCRPを生成するまでにある程度時間がかかることで生まれます。細菌感染症でも同様に時間差を感じることがあると思いますが、同じ理屈ですね。
【http://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/97.html】
【https://www.horiba.com/fileadmin/uploads/Medical-Diagnostics/Documents/tec_jp/3uhw_hnl_no2.pdf】
整形外科から骨折での入院患者のCRP高値でコンサルトを受けた際や、リハビリで受け持った骨折患者がCRP高値を認めている際は、上記の推移を知っていると役に立つと思います。