白血病反応と慢性骨髄性白血病と慢性好中球性白血病の鑑別
アルコール性肝炎での好中球著高患者について調べているうちに、アルコール性肝炎のような白血病反応(Leukemoid Reaction:LR)と慢性骨髄性白血病(CML)と慢性好中球性白血病(CNL)の鑑別について興味が出てきたので調べてみました。
CNLは主にCSF3R遺伝子変異による成熟好中球のモノクローナル増殖、LRは左方移動を有する成熟好中球の反応性ポリクローナル増殖、CMLはBCR/ABL遺伝子変異(Ph染色体)による分化は障害されていない骨髄系細胞のモノクローナル増殖を来す疾患です。
その点、LRは必要になって好中球が動員されているため、血中G-CSFが高値になります。
普段はG-CSFによる作用で好中球は成熟するのですが、CMLやCNLはそれがなくとも好中球が成熟できる状態になっています。
ただ好中球の発現するアルカリフォスファターゼ(NAP)は、G-CSFで活性が上昇することが知られているので、LRはNAPが高値になりCMLではNAPは低値になります。
※好中球アルカリフォスファターゼ(NAP)は白血球アルカリフォスファターゼ(LAP)と呼ばれることもあります。