きのこの備忘録

筆者が調べた事やまとめた事を共有しています。医療職を対象とした記事がメインです。論文のような正確性よりは分かりやすさを優先して書いています。一般臨床への応用は自己責任でお願いします。

2023-01-01から1年間の記事一覧

高次脳機能障害患者の復職に際し、主治医はどう産業医と連携をとるべきか

復職の基本的な流れは下記になっています。1) 本人の復帰の意思→主治医の許可→産業医の許可→事業者の最終判断 産業医の許可に際し、産業医は患者の許可を得たうえで必要に応じ、主治医に"勤務情報提供書"を送付し職場復帰の際の意見を求めることがあります。…

脊髄損傷患者の便秘症ではどの薬を選択すればよいか

ドイツのガイドラインを参考にしました。1) 日本の"脊髄損傷の排便マニュアル"2)や英国のガイドライン3)は薬の記載はあっても選択優先度の記載はなく、オーストラリアのガイドライン4)は薬の記載が乏しく代わりに非薬物治療のフローチャートの記載が充実して…

睡眠時無呼吸症候群でCPAPを使用する際にどのタイプのマスクを選択すべきか

" data-en-clipboard="true">簡易型睡眠時無呼吸検査で、受け持ち患者の重症睡眠時無呼吸症候群が発覚しました。今まで呼吸器内科がCPAP導入してくれる環境が多かったので甘えていましたが、自分でできないとマズいと思って改めて調べてみました。 " data-en…

心房細動のリハビリテーション安静度はどう設定すべきか

" data-en-clipboard="true">RACEⅡトライアルにおいて、持続性心房細動で寛容なコントロール群(安静時HR<110)は、厳密なコントロール群(安静時HR<80かつ6分間歩行などの中等度運動時HR<110)と比較し、主要転機(心血管死、心不全入院、脳卒中、全身塞栓…

運動負荷を伴う訓練を実施するための基準(リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン第2版)

訓練中止を考慮する具体的条件(数値編) ・収縮期血圧180-200mmHgを超える場合、または収縮期血圧70-90mmHg未満の場合 ・脈拍40未満、または120-150/分を超える場合 ・呼吸数5-8回/分未満、呼吸数30-40回/分を超える場合 ・SpO2:88-90%未満 ※バイタルサイ…

運動負荷を伴う訓練を実施するための基準(リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン第2版)

訓練中止を考慮する具体的条件(数値編) ・収縮期血圧180-200mmHgを超える場合、または収縮期血圧70-90mmHg未満の場合 ・脈拍40未満、または120-150/分を超える場合 ・呼吸数5-8回/分未満、呼吸数30-40回/分を超える場合 ・SpO2:88-90%未満 ※バイタルサイ…

積極的な運動療法が禁忌となる疾患・病態 (心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン)

絶対的禁忌 ・不安定狭心症または閾値の低い(平地のゆっくり歩行[2MET]で誘発される)心筋虚血。 ・過去3日以内の心不全の自覚症状(呼吸困難、易疲労感など)の増悪。 ・血行動態異常の原因となるコントロール不良の不整脈(心室細動、持続性心室頻拍) …

リハビリテーション科専門医の価値

リハビリテーションの指示(PT、OT、ST処方)はどの医師にもできる。はたしてリハビリテーション科専門医の価値はどこにあるのだろうか。 この答えは一部の業務独占できる診療科を除くすべての専門医の価値と同様、医療の質にある。 たとえば皮膚科医でなく…