きのこの備忘録

筆者が調べた事やまとめた事を共有しています。医療職を対象とした記事がメインです。論文のような正確性よりは分かりやすさを優先して書いています。一般臨床への応用は自己責任でお願いします。

Surfer’s myelopathyについて

先日はじめてサーフィンをしましたが、サーフィンでは稀に外傷の病歴なく脊髄症になることがあります。Surfer’s myelopathy(以下、SM)と呼びますが、その機序について調べてみました。

 

正確な病因は解明されていませんが、基本的には体幹過伸展の持続もしくは反復によって起こる説が一般的のようです。

体幹過伸展が悪化因子とのことで、脊柱管狭窄症による脊髄症のようなイメージを持ちましたが、基本的にSMは若年の初心者サーファーに多い疾患のようで、しかも急性発症するようです。

背景として、体幹過伸展によるAdamkiewwicz動脈潅流障害が示唆されており、高齢者は脊椎の柔軟性が乏しいため過伸展状態になりにくい可能性などが考察されています。

 

サーフィンは腹臥位でボードにいることが多く、立ち上がるときや波をいなすときなど、過伸展状態になることが多いと思います。

 

サーフィン以外でも同様の肢位をとるものではSMになることがあり、手術による腹臥位、チアリーディング、スイミング、体操競技などで発症した報告があるようです。

 

SMを予防する語呂で"SPINE"といものがあるので、サーフィンをやるときは復習しておきたいですね。

 

S:Sit:波を待つときは腹臥位ではなく座位で待つ

P:Pace:海に長時間いない

I:Insist:熟練のインストラクターに指導を仰ぐ

N:Notice:腰の違和感や痛み、下肢の脱力に注意

E:Exit:そしたらすぐに海を出て病院に向かう

 

https://slide.antaa.jp/article/view/b8c497fbb8124c65#1

http://igakukotohajime.com/2020/01/01/%E8%84%8A%E9%AB%84%E6%A2%97%E5%A1%9E-spinal-cord-infarction/

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7919899/