きのこの備忘録

筆者が調べた事やまとめた事を共有しています。医療職を対象とした記事がメインです。論文のような正確性よりは分かりやすさを優先して書いています。一般臨床への応用は自己責任でお願いします。

腰部脊柱管狭窄症で間欠性跛行は何故起こる?

■神経因性間欠性跛行のメカニズム

解剖学上、体幹屈曲により脊柱管径と椎間孔径は広がるため減圧され、体幹伸展により逆に狭まり増圧されることが分かっている。
【 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8923625/
歩行中体幹は伸展状態である。歩行中は立位より硬膜外圧が高いことが知られている。
歩行により馬尾周囲(馬尾型)や神経根周囲(神経根型)、もしくはその両方(混合型)の機械的圧迫が繰り返される。
機械的圧迫による直接的な神経障害に加え、クモ膜下腔が閉塞し馬尾部の静脈灌流が阻害されることでうっ血が起こり、神経線維が障害され間欠性跛行が起こる意見(静脈うっ血理論)と、神経を栄養している微小血管系が圧迫により虚血となる意見(微小血管理論)の2つ仮説がある。
そのため血管拡張薬のPGE1が奏功することがある。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4017306/#__sec5title
https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/documents/No.62.pdf
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6887476/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6887476/