大腿骨の骨折の種類
大腿骨の骨折には骨折線の部位により、①骨頭部骨折、②頸部骨折、③転子部骨折、④転子下骨折、⑤骨幹部骨折に分かれます。
大腿骨頸部より近位は股関節の関節包に入ります。そして関節包内は骨膜がないため、大腿骨頭を栄養する血流は骨内を通ってきたものしかありません。そこで骨折が起こり骨内の血管がちぎれてしまうと、骨頭に血流が行かず容易に壊死を起こしてしまいます。
なので、よほど骨折による転位がない場合を除き、①、②は基本的に整復固定術は適応にならず人工骨頭置換術が選択されます。
関節包外の骨折になる③、④、⑤は整復固定術が選択でき、主に髄内釘固定術(ガンマネイル)とCHS(Compression Hip Skrew)法の2つがあります。
ガンマネイルの方が最小限の筋剥離のみで髄内釘を打ち込むことになるので短時間でできますが、転位がある場合の整復は不得手です。逆にCHSは大腿骨外側の筋を剥離しプレートを取り付ける必要があるため、時間がかかり出血量も多くなりますが、その分転位がある場合の整復も容易にできます。
【http://www.inet-shibata.or.jp/~zaitaku/hc02.html】
【https://med.antaa.jp/hip_fracture_review】
このような手術を整形外科医は、髄内釘固定術なら25分ほど、CHSでも30分ほどでやってしまうようなので、凄いですよね。