きのこの備忘録

筆者が調べた事やまとめた事を共有しています。医療職を対象とした記事がメインです。論文のような正確性よりは分かりやすさを優先して書いています。一般臨床への応用は自己責任でお願いします。

素潜り前の過換気は要注意?

■息止め時の苦しさと血中酸素・二酸化炭素濃度
 
・PaO2は60mmHg近くまで換気量増加せず、それ以降加速度的に換気量増加するが、PaCO2と換気量増加は線形関係。
・PaCO2の方が鋭敏に換気努力を惹起させる(苦しくなる)。
・人体は酸素ではなく二酸化炭素を呼吸刺激因子として優先させている。
※人体が運動を開始した場合に、代謝向上に合わせて呼吸を活性化させる必要があるが、空気中の含有量が少ないCO2(約0.04%)の体内変化を検知した方が、体の活動状況の把握において誤認が少ないから
・素潜り前に過換気をすると、PaO2は少し上がるがPaCO2は下がる。
・素潜り中に少しずつPaO2↓、PaCO2↑が起こるが、PaCO2を下げて入っているので呼吸刺激がかかりにくい。
・後にPaO2が60mmHg近くになると呼吸刺激が起こるが、その後加速度的にに酸欠が進むのでブラックアウトする
→素潜り前の過換気は要注意。