医療の車窓から ~旅のしおり~

医療の世界を旅する中で、筆者が調べた事やまとめた事を共有しています。医療職を対象とした記事がメインです。論文のような正確性よりは分かりやすさを優先して書いています。一般臨床への応用は自己責任でお願いします。

利尿薬か補液か

低Alb血症により血管内脱水を来しており、腎機能が悪化している症例をみました。

補液をしても水分は血管内にとどまれず、胸腔、腹腔、皮下に溜まっている状況でした。

この場合に、補液をするという意見と利尿薬を使うという意見に分かれそうなので、それについて考察してみます。

 

利尿薬は貯留した体内の水分を減らすという意味では有効ですが、血管内の水分は更に減るので血管内脱水は増悪することになります。

血管内脱水に陥った場合、腎血流も低下し、尿量が減ると同時に腎虚血になります。

それが長引くと尿細管が壊死してしまい不可逆的な腎障害(急性尿細管壊死)になってしまいます。

尿量が少ないときに利尿薬を使うというのはしばしば目にしますが、主に尿細管のチャネルに働きかけて尿量自体は増やしてくれますが、元々の腎血流を増やす作用はないため、機序的には尿細管壊死を防ぐ効果は乏しいようにに思います。

補液をした場合、当然血管外にも漏れますが一部血管内にもとどまります。

このような状況の場合、まずは腎血流量を確保するとともに低Alb血症の原因解除し、水分が血管内に留まれる環境を確保してから利尿薬で水分を抜くのが好ましいように思います。

 

 

血管内脱水をお制する

 

 

貯留しており

 

顆粒円柱が出ており急性尿細管壊死が示唆される状況